青木 志貴さん
愛称「魔王」
ベルの声を演じた青木志貴さんの独占インタビュー第三弾!
インタビューアー: 元「ファミ通」編集長のバカタール加藤さん
08/10 タイの話 タイとの意外な関わり
──「HSH」は、タイ発のステルスホラーという逃げるタイプのゲームじゃないですか。資料とかみると、タイの言葉とかタイの文化とかも入ってますが、何か感じられましたか?
すごいでっかい壺みたいのが置いてある部屋があって、え? この壺はなに? 置物? って思ったのですが、どうやらお風呂らしくて。ふつうのバスタブもあるんですが、プレイしてる人に聞いたら、それお風呂らしいよ、って言われて。
──じゃあ、タイお風呂の文化…?
青木 そう。そう思ったんですよ。あと、ずっとお経っぽい音が流れてるんですが、タイってそういうお経みたいなのがあるのかな、って。そういうのをちょっといろいろ考えました。
──なるほど。では、タイってきくと、何を思い浮かべますか?
青木 一時期お父さんがタイに単身赴任で行っていたので、それを思い出したり、あとはご飯とかですね。
──タイ料理?
青木 はい。
──タイに行かれたことは?
青木 いや、ないんです。海外行ったことないんですよ。
──まだ、行ってないんですか。
青木 最近パスポートとったんです。去年、歌とかで、アメリカの仕事が決まるかも…みたいな時があって、パスポートとったんですけど、結局なくなったので。まだ使ってないんです。
──それはもったいない。
青木 海外は旅行で行ってみたいんですけど、飛行機が怖い(笑)。
──飛行機の方がクルマより安全らしいですよ。
青木 らしいですね。寝てればいいのかな。
──あと、映画見たりとか、音楽聞いていればいいんですよ。じゃあ、タイっていうと、お父さんが行ってたっていうのと、料理くらいですか。
青木 撲、パクチーが苦手なんで…
──え、苦手なんですか!!!
青木 パクチー、食べられないんですよ。タイ料理っていうと、たいていパクチーのっていませんか?
──そうですね。全否定じゃないですか。
青木 だから、パクチー全部よけて、食べるんです。
──でも、辛いの好きですよね? たしか前に番組で何にでも、タバスコかけてましたよね? だからタイ料理は好きなのかと。
青木 辛いは大好きです。たぶん、タイ料理は好きなんですけど、そのパクチー問題が解消できれば(笑)。
──タイ料理は、お好きだと思ったんで、タイ料理は何がお好きですか? って聞こうと思ったけど、目論見がはずれた…。
青木 そうなんですよ。好きな人はほんとに好きですよね。
──タイ料理、おいしいですけどね。パクチーもタイ料理に合いますけどね。
青木 大人になったら、好き嫌いなくなると思ったんですけどね。なくならなかったんですね。
09/10 これからの話 これからやってみたいこと! 声優さんの話
──今回、まえからやりたかった、ホラーゲームでの襲う側の役ができたっておっしゃってましたけど、ほかにも、ゲームでもアニメでもいいので、やりたい役はありますか?
青木 普段の生活で、しゃべられないようなことが言えたり、という役がやりたっていう思いがあるので。ホントに頭のおかしい役が好きなんですよ。
──あはは(笑)
青木 演じたこともあるのですが、多重人格で、人を殺しまくる役とかが、やっててめちゃくちゃ楽しかったので、そういう役がやりたいな、とは思います。
──ふだんのキャラじゃないキャラになれるというような。
青木 そう。ふだんの会話で、これ言ったら、絶対こいつヤバイやつだろ、っていうセリフって二次元に多いじゃないですか。全力で言えて、それがむしろよし、とされる世界っていうのが、うれしいな、と思って。
──それで、お金もいただけて、しかも見てる人も喜ぶっていう。
青木 そう。ストレス発散させてもらってるな、みたいな(笑)。
──今日みたいな…。
青木 そうです。だから、やっいて楽しいのは、頭のねじが飛んでいる役がいちばんです。
──(笑)。今回のは、けっこう、とんでるどころか、もう人じゃないですよね。
青木 言い方があれですけど、もう、何やってもオッケーみたいなところがあるじゃないですか。もう、息づかいのところとか、普通の女の子がそんな声だしたら、ダメでしょう、みたいなのが多かったので。
──オエーって嗚咽っぽい声とか。練習もしないし、普段はそうはならないっていう声ですね。
青木 そうですね。そんなオエオエしてるコ、まわりにいないじゃないですか。
──いないです! ふつうにいたら、ひきますよ。
青木 そうです。だから、自分で想像しないといけないところは難しいんですけど、でもやっぱり、楽しいですね。
少女漫画に出てくるような女の子よりは、へんなキャラがやりたいタイプなので。
──たぶん、ご自身も美人だし、声もかわいい声でるし、そういうキャラも多いと思うんですよ。かわいい女の子キャラが。そういうのはどうなんですか?
青木 声はそういう役の方が出しやすいので、声で演じるのはいいんですけど、たまに顔を映しながら、このセリフを言ってくれ、っていう番組があるんですよ。そういう時は、顔を(こう)隠して言いたくなります。
──声優さんには、ありがちなお仕事ですね。
青木 自分とのギャップ、というところでは、かわいいキャラをやるときは、悩む部分でもあります。
──なるほど。そうなんですね。今回はお知り合いの声優さんとかいらっしゃいますか?
青木 一緒に収録したわけじゃないのですけど、同じ作品に下野紘さんもでられてます。
──下野さんは沢山のゲームに出られてますね。
青木 そうです。打ち上げでご一緒させてもらって、ちょっとおしゃべりしたくらいですが、あの頃は僕は黒髪のロングだったんで、覚えていらっしゃるかはわからないですね。
──そうだったんですか。
青木 昔は、黒髪でロングだったんですが、どんどんこんなクレイジーな感じに。
──そうだ、思い出した。昔長かった。
青木 うん。
──じつは、三浦祐太朗さんにこの前インタビューしました。
青木 はい。
──三浦さんは、シンガーソングライターでゲームの声をあてるのは「HSH」が初めてだったのですが、お知り合いの声優はいますか?って聞いたら、下野さんは見る方でご存知でした。青木志貴さんのことも、某音楽ゲームのPとして、ご存知だとおっしゃってました。
青木 へえー、Pさんなんですねー。
──アイドルゲームのPについては、かなり公言されていて、Pとしても有名らしいですが、そういう方と一緒に仕事ができて、すごく光栄です、とおっしゃていましたよ。
青木 ええー、ありがとうございます。
──なんか、ということです。
青木 衝撃の事実ですね。
──今回、三浦さんは、難しいタイの名前が出てくる役とアナウンサーの役を見事にやってらっしゃいました。
青木 めっちゃ難しそうですね。僕は、今回そっちじゃなくてよかったと思います(笑)。
──そうなんですよ。今回、魔王さんにもタイ語をかんでほしかったんですが、タイ語がなかったんで、がっかりしたんです。
青木 なくて、よかったです。オエオエ言ってるだけでよかった(笑)。
10/10 アジアのゲーム、アジアの話~ゲームの夢
──魔王さんはすごくいろいろゲームやってると思いますけど、「HSH」はタイのゲームですが、アジアのゲームも結構出てきてると思うんですが、海外のゲームとかアジアのゲームって遊ばれたりします?
青木 基本的には、洋ゲーと言われている海外産のゲームばっかりやってるので、逆に言うと、日本のゲームって、最近あまり触れてなくて。でもアジアのゲームって、海外のゲームっていう概念でやっているかもしれないけど、アジアのゲームって意識してないかもしれないですね。なんだろう。何があるのかな。
──たとえば、中国産の「ア〇ールレ〇ン」とかも、ありますよね。最近。
青木 ああー、なるほど。
──あれは、テイストも日本風で、日本でも違和感ない、みたいに作ってますけどね。
青木 そういう意味だと、自分が声をあてさせてもらった、「ドー〇ズフロ〇トオンライン」っていうソシャゲなんですけど、声をさせてもらってるから触ってみたり、というのはあります。
──なるほど。
青木 もともと、スマホのゲームとかソシャゲーって詳しくないタイプの人間で、どっちかって言ったら、Steamだとかの洋ゲーとかを遊びがちで。安くて面白いゲームがいっぱいあるんで。
──魔王さんは、ゲーマー中のゲーマーですね。仕事関係では、スマホゲームもやったりする、という感じですか。
青木 そうですね。
──スマホのゲームで、最近これ、おもしろかったとかいうのはありますか?
青木 えーと、あの、僕「デッ〇バイ〇イライト」っていう元々パソコンのゲームがあって、その会社が半分公認で、パクリだけどいいよ、っていう感じだと思われるスマホゲームがあるんですよ。そのゲームはけっこうやってました。あれも中国とかアジアで作ってますね、たぶん。
──では、最後に、おしらせとか、告知とか、こういう仕事やってますとか、あったら。ぜひ。
青木 YouTubeとか、Twitchのゲーム配信をよくやっているので、というところですね。ゲーム関係は。うん。
──YouTuberはいかがですか?
青木 YouTubeは、楽しいですね。
──編集も全部やってるんですか?
青木 ええ、そうなんです。全部自分でやりたくって、機材を買いそろえて。やってみたら、動画編集がけっこう楽しくて、撮影して何かやるっていうよりも、ひたすら編集したいタイプだったみたいで。
──たぶん、作るのが好きなんですね。
青木 そうなんだと思います。だから、誰か、動画の素材をくれって思っちゃいます。友だちのプレイしてるゲームの動画を、なぜか僕が編集してあげるっていう。
──へええ。
青木 単純に編集するのが、たぶん好きなんですよね。
──声優さんとかお友達を集めて、ゲームをさせて、編集とか。
青木 それできたら、めっちゃいいんですけど、ね。これ(お金)が…。(笑)
──あははは。じゃあ、フリー素材の人を探せばいいんですね。
青木 じゃあ、フリー素材の方を。ぜひ。
──なるほど。そういう方がいたら、青木志貴さんに編集されたい、っていう人がいたら、ぜひ、と。
青木 コラボ募集してます! と(笑)
──それはいいかもしれない。いろんな人が名乗りでるかもしれない。(笑)
青木 あははは。
(マネージャーさん) 編集されたい人って、おもしろいかもしれないですね。
青木 でも、途中でへんな顔とかで止まるとこ、僕にめっちゃ観られるんですよ。
(マネージャーさん) それはめっちゃおもしろいかもしれないな。
──アイドルとかでもいそうじゃないですか。でも、ゲーム好きだから、ゲームに出演して、ゲームもして、編集もして、まるまるお金がっぽりもらうっていうのがいいかもしれないですね。
青木 それは、いいですね。(笑)
──いま海外のゲームでも、日本の声優さん、使いたいっていうのがありますよね。もっと増えていくと思うんですよね。
青木 中国のゲームで、中国で出るのに、あえて日本の声とか。「K○F」もそうだったんですよ。
──あれ、作ってるのむこうですもんね。
青木 はい。中国版で中国でしか展開されないアプリなのに、音声は日本語ボイスみたいなのも確かにあったんで。
──キャラクターが日本人だったりとか、ですよね。あと、ゲーム作ってる人たちって、日本のゲームを遊んでいた人たちが多いんですよ。
青木 そうですね。多い。
──だから、そういう意味では、日本の声優さんは、海外でも強いですよね。それから、モバイルのゲームがどんどん本格的になって、声をどんどん入れ始めてるから、それもものすごく増えてますよね。
青木 たしかに。
──じゃあ、声優さんとか、ゲーム実況、ゲーム番組出演のお仕事以外に、ゲーム動画の編集もしたい、ということで(笑)。
青木 物作りに携わりたいので、最終的にはゲームを作りたいのがいちばんなんですけど。
──いいですね。どういうの作りたいんですか?
青木 ビジュアルノベル系だったら、作れると思うんですけど、最終的にはRPGみたいのを、ちゃんとキャラクター動かして、っていうのにしたくって、でも、めっちゃたいへんじゃないですか。
──「RPGツ○ール」では作れますけどね。
青木 ああ、最初は、まずそういうところからかな、とも思ってます。
──ほんとに、作るのがお好きなんですね。
青木 でも、完成したら、そこでもうぽいってしちゃうんじゃないかな。たぶん。
──なるほど。そういう性格なんですね。
青木 完成するまでが好きなタイプなので。長く継続させるソシャゲーとか作れって言われたら、向いてないなって。
──でも、ゲーム作る人って、基本はそっちですよね。運営するっていうのは、モバイルサービスなんで。運営チームは運営チームで別にあったりしますし。でも、我々がイメージするようなゲームクリエイターっていう人たちは、みな、違うものを作りたがる人たちですよ。
青木 うーん。
──だから、そっちなんでしょうね。コンシューマーの方がいいかもしれない。でも、本当にその大きな夢はいいですね。
青木 そうなんですよね。
──僕も、ゲーム業界に長いこといて、作ってないので、作りたいとずっと思ってて。だから、いつになるかわかりませんが、作る機会があったら、お声がけさせていただきます。
青木 ぜひぜひ。
──あの、その時はオエオエっていうやつを(笑)。
青木 頭のおかしい役を!(笑)。
──そこは、イメージしておきます。
青木 ありがとうございます(笑)。
──ということで、今日はどうもありがとうござました。
青木 ありがとうございました。